ここでは、合宿免許の申し込みから運転免許を取得するまでの流れを解説します。流れを把握し、安心して合宿免許に参加できるよう参考にしてみてください。
教習所や入校時期によって、料金や合宿の期間が異なります。複数の教習所を比較して選定し、合宿免許をしたい教習所に、メールや電話などでお問い合わせを行いましょう。教習所の指示に従って、申し込み手続きを進めていきます。
ただし、8~9月や2~3月は学生の長期休暇と重なり、教習所の予約が混み合う時期です。そのため、できるかぎり早めに予定を立てておき、余裕を持って入校できるように申し込みをしましょう。
合宿免許の入校当日は、案内のある指定の場所に集合します。集合場所や時間は教習所によって異なるので、事前に確認しておきましょう。万が一、集合場所に遅れてしまうと入校できない場合もあります。交通機関の乱れにより遅れるケースも予測して、余裕を持って行動することが大切です。
また、入校手続きに必要な書類も忘れないように出発前に確認し、持参して集合しましょう。
合宿免許の教習所に到着したら、まずは入校手続きを行います。身分証明書や住民票などの必要な書類を提出した後、教習原簿の内容を確認します。教習原簿は、教習生の氏名や住所などを含めた個人情報が記載されている書類であり、記載事項に誤りがないかチェックしましょう。
また、合宿免許の内容や注意点などの説明を受け、合宿中の流れを把握したうえで次のステップに進みます。
入校手続きが終わると、視力や聴力、色彩識別能力、運動能力などの適性検査を行います。これらの検査は、免許取得に必要な基準を満たしているのか判断する目的で実施されるものです。視力であれば、眼鏡やコンタクトを使用しても片眼0.3以上、両眼0.7以上の視力が必要であり、基準を満たさない場合は、免許取得ができない可能性があるでしょう。
また、自分の性格や癖を知り、どのようなことに注意して運転をすればいいのか把握する「運転適性検査」も行います。
学科教習や技能教習を受ける前に、運転をするうえで必須のモラルや責任、交通法令の遵守などの運転に関する基本的な心得を学びます。この先行学科は、教習所が独自に設けたルールではなく、法令上の規則として定められている学科です。
そのため、先行学科を受講しなければ、学科教習や技能教習に進むことはできません。
先行学科を受講した後は、本格的な教習が始まります。第一段階の学科教習は全部で10時限の教習があり、基本的な運転技術と知識を学びます。技能教習は、教習場内で、基本的な運転操作や走行を学びます。
普通免許の技能教習は、AT限定が12時限、MTは15時限が必須です。第一段階の技能教習の最後は、「みきわめ」という教習効果の確認が行われます。この「みきわめ」が問題なければ、修了検定や学科試験に進めます。
第一段階の学科教習と技能教習、「みきわめ」に合格すると、仮免取得のために修了検定と学科試験を受けます。修了検定は助手席に教官を乗せて、教習所の敷地内にあるコースを運転します。S字クランクや踏切、交差点などを、交通規則を守って運転できるか確認し、7割以上の点数であれば合格です。
修了検定に合格後は筆記の学科試験があり、法律や運転マナー、標識などに関する問題が50問出題されます。45問以上の正確で合格です。修了検定と学科試験に合格すると仮免許が取得でき、第二段階の路上教習を受けられます。
第二段階では、方向変換や縦列駐車などの実践的な運転技能の教習と、一般道や高速道路などの公道を運転する技能教習がスタートします。教習所の近くに高速道路がない場合は、シミュレーターを使用して教習する場合もあります。
AT限定・MTともに学科教習は16時限、技能教習は19時限を受けて、習熟度を確認する「みきわめ」が行われます。
すべての教習が終わると、路上と教習所内のコースで卒業検定を受けます。コースは3つほど用意されており、検定員の指示に従って走行する流れです。助手席に検定員を乗車させて運転し、普通自動車免許の場合は70点以上で合格になります。万が一、検定中に検定員がブレーキを踏んでしまうと、その時点で不合格になるため気を抜かないように注意しましょう。
合格すると卒業証明書が発行され、約2週間の合宿免許が終了します。
本免許を取得するためには、住民票がある地域の運転免許センターで本免許学科試験を受ける必要があります。卒業証明書と仮運転免許証を持参して、試験会場に向かいましょう。本免許学科試験は、文章問題やイラスト問題が出題され、90点以上で合格です。
学科試験の前には、視力や聴力の適性検査、免許証に使う写真の撮影も実施されます。
本免許学科試験に合格すると、その日のうちに運転免許証が交付されます。交付された当日から運転することが可能です。
合宿免許は、約2週間で学科教習や技能教習、検定を受けられ、短期間で効率よく本免許取得を目指せるスケジュールです。教習の時間以外は各自の自由時間があるため、合宿免許の仲間と交流を深めたり、宿泊施設の周辺で観光を楽しんだりといったメリットもあります。免許取得までの流れを確認し、充実した合宿免許にしましょう。